2023年11月16日

マレーシア国低公害型公共交通向け中型EVバス 譲渡式

2023年9月14日、マレーシア国ペラ州タイピン市にて、株式会社ピューズ(PUES)と株式会社オリエンタルコンサルタンツグローバル(OC Global)が実施した国際協力機構(JICA)中小企業・SDGs ビジネス支援事業「低公害型公共交通向け中型電気バスシステム普及・実証事業」で導入したEVバスの譲渡式典が開催されました。同式典には、北部回廊経済地域(NCER)の代表者、ペラ州議員、タイピン市長 Khairul Amir Bin Mohamad Zubir氏、在マレーシア日本大使館参事官 細見昌史氏、JICAマレーシア事務所次長 稲垣良隆氏らが出席されました。

タイピン市へ導入されたEVバスの外観

譲渡式典の様子

試乗イベントの様子

乗客の様子

マレーシアでは、先端技術を用いて高付加価値な製品・サービスを生み出すとともに、環境を保全しつつ持続可能な開発を実現する「グリーン成長」が推進されています。具体的には、2030年までに温室効果ガスの排出量を2005年比で45%削減を目指しており、二酸化炭素や大気汚染物質を排出しないEV (Electric Vehicle) の導入による公共交通の低炭素化が喫緊の課題となっています。本事業では、豊富な自然・歴史遺産を有するペラ州タイピン市において、EVバスを活用した公共交通事業モデルを確立するため、PUES社のEVバス(急速充電器1基を含む)の導入をするとともに、高性能な日本製EVバス技術の移転による産業人材育成、EVバスの運行・維持管理を担うタイピン市役所(MPT)の運営体制構築、マレーシア政府関係機関・民間事業者等に対するEVバスの普及活動を実施しました。
導入したEVバスは、優れた環境性能と高エネルギー効率を有した「環境に優しい乗り物」として、タイピン市内の観光名所40カ所を巡る“Taiping Heritage Trail”(全長11.5km)の運行に使用されています。既存のディーゼルバスの排気ガスには、二酸化炭素(CO2)をはじめ、窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)、粒子状物質(PM)などの大気汚染物質が含まれている一方で、EV バスは走行時に排気ガスを一切排出しません。また、EVバスに搭載されているバッテリーやモーターは、一般的な内燃機関(エンジン)よりも少ないエネルギーで長い距離を走行できることに加え、低騒音・低振動での走行を可能にします。これらの特徴により、タイピン市に導入されたEVバスは、周辺地域の環境負荷を低減しながら、同市の観光振興に貢献することができます。
本実証事業を通じ、マレーシア国ペラ州タイピン市におけるエコツーリズムの推進およびMPTのEVバスシステム運営維持管理能力の向上が期待されます。

 

OC Globalは、低公害型公共交通向け中型EVバスの導入により、当該国の環境保護と観光振興の両立を支援し、公共交通の低炭素化に貢献します。