2023年6月20日

コンゴ民主共和国 マタディ橋 開通40周年

当社が保全計画・維持管理に携わった「コンゴ民主共和国 マタディ橋」が2023年5月、開通40周年を迎えました。
【関連リンク】JICA HP:https://www.jica.go.jp/topics/2023/20230612_01.html

マタディ橋はコンゴ川を渡河する全長722m、中央径間長520mの吊橋です。建設当初は日本人がバナナ・キンシャサ交通公団(OEBK)総裁として常駐し、維持管理について技術移転を実施していましたが、政情不安により日本からの援助は途絶えていました。しかし、日本人エンジニアから吊橋建設と維持管理の技術を学んだOEBK職員は、不足する資金、調達困難な材料、維持管理の必要性への理解が少ない社会、足りない技術や経験、権力争いに影響される人材の配置、国内や隣国との紛争による人材の流出等、さまざまな困難に見舞われながらも、データベースの作成・更新を行い、日々の点検と維持作業を続け、橋を守り続けてきました。2012年に日本からの援助が再開し、メインケーブルの防食対策として本州四国連絡橋公団で開発されたケーブルの最新防食技術が導入されるなど、マタディ橋の延命と高度な最新の維持管理が続いています。同橋は維持管理に関する日本からの技術移転が成功した事例であるといえます。

日本人エンジニアの熱い思いを引き継ぎ内戦や政情不安を乗り越え、40年もの年月「橋守」としてマタディ橋を大切に守り続けてきたコンゴ人エンジニア達の奮闘は、JICAプロジェクト・ヒストリー『マタディ橋ものがたり—日本の技術でつくられ、コンゴ人に守られる吊橋』(佐伯出版)として出版されており、当社技術顧問辰巳正明が本書の執筆に参画しました。
また、「コンゴ民主共和国 マタディ橋保全計画及び維持管理能力向上プロジェクト」は2022年度土木学会インフラメンテナンス プロジェクト賞を受賞しました。

『マタディ橋ものがたり—日本の技術でつくられ、コンゴ人に守られる吊橋』
共同著者 辰巳正明

土木学会インフラメンテナンス プロジェクト賞
表彰式
左:当社 大春 宏一郎

 

OC Globalは既存インフラの補修技術を移転すると同時に維持管理の重要性を伝えていくことで、同国のインフラがより長く安全に使用し続けられるよう支援しています。