2021年9月21日

『Frontiers in High-Speed Rail Development』出版

 株式会社オリエンタルコンサルタンツグローバルの軌道交通計画部 課長 佐藤彰宏が執筆に携わった『Frontiers in High-Speed Rail Development』がアジア開発銀行研究所より出版されました。下記リンクより無料ダウンロードできます。
佐藤は同書の「14. Land Value Capture for Transit Oriented Development in the North–South Commuter Railway Extension Project in the Philippines」の部分を担当いたしました。

近年、急速な発展を続ける新興国を中心に、交通インフラの需要が拡大しています。各国政府においては、その整備・運営維持に必要な財源確保のための解決策が切実に求められています。このような中、鉄道分野においては、各国政策立案者等の間で、必要な財源を補う手段という観点から、駅周辺の土地利用を含めた総合的な鉄道整備計画の必要性についての認識が深まる一方で、その具体化方法が模索されています。佐藤は本書において、その一つの方法を提案しています。具体的には、フィリピンの鉄道プロジェクトにおいて、TOD(Transit-Oriented Development:公共交通指向型開発)及びLVC(Land Value Capture:開発利益還元)の具体化に向けた政策立案・意思決定を支援する目的で、鉄道整備による駅周辺地域の地価上昇額について、ヘドニックアプローチを用いて算定した事例を紹介しています。地価上昇額の規模、移動時間短縮や土地利用変化との関係が可視化されることで、政策意思決定者等の理解が促進され、鉄道整備効果の最大限化に向けた、TODやLVC関連施策の採用が容易になるとされています。

弊社は、このような取組みを通じて、必要な交通インフラの整備が進むことで、すべての人々に持続可能な輸送システムへのアクセスが提供できるように、貢献していきたいと考えています。

本書で提案されている方法についてご関心のある方は、ご遠慮なくお問い合わせください。

【関連リンク】
書籍ダウンロード:https://www.adb.org/publications/frontiers-high-speed-rail-development