Employee Stories

太田 陽子

課長

都市地域開発部

学生からの希望であったコミュニティ防災分野の仕事ができ、充実の日々。世界中の意欲的・情熱的な人々とふれあい、自らも成長。

2008年5月、ミャンマー南部のエーヤワディ川デルタに上陸したサイクロン「ナルギス」。同国史上最大の自然災害は、13万8千人もの死者・行方不明者を出す未曽有の人的被害をもたらしました。同年8月に実施されたプロジェクト形成調査によると、被害がここまで拡大した原因として、情報伝達システムの不備が指摘されました。気象情報が中央政府・州・都レベルには伝わっていたものの、町や村という単位まで十分に周知されていなかったのです。自然災害早期警報システムの一刻も早い整備を目的として、プロジェクトがスタートしました。「コミュニティ防災」の担当者として、災害の文献調査や村落部での現地調査を実施し、その結果に基づいて対象村で住民対象の防災ワークショップや、避難訓練を実施しています。また、村人が自らの力で防災のみならず村が抱える問題を解決する能力を身に付けることを支援してきました。

調査・業務対象地が多岐にわたり、気温40度以上の猛暑の中、月に数千キロも移動するなど体力勝負の面も(苦笑)。貧困地域のためインフラが未整備で、防災に至る前段階での課題がとにかく多いのです。サイクロンや津波など、自然災害はいつ起こるか分からない。そのため早期の対策が望まれました。

大学院に通う2006年、私は国連のバンコク事務所でインターン中、ミャンマーを訪れました。当時は軍事政権による政治的問題から、各国からの経済制裁が厳しいため、技術支援や物的援助をしたくても機会が乏しく、悔しい思いを抱いていました。

インターンの時は、何かしたくても何もできない状況…。社会人となり、もう少し経験を積んでミャンマーに戻って来たいという思いがずっとありました。まさか本当に戻れるとは思いもよりませんでした。コンサルタントとしてまだ駆けしなので、まずは一つひとつ実績を作りたいと思っています。その上で、今後はプロジェクトの案件形成業務に携わりたいと思います。対象国の地域住民の“生”の意見を伺い、現地にとって真に役立つプロジェクトを形成できればと考えています。努力する人や成長したい人が公平に機会を得て、正当に評価される世界を作る手助けをするのがコンサルタントの仕事だと信じています。

意欲や情熱を持つ世界中のエネルギッシュな人たちと切磋琢磨し、お互いに成長できればと思っています。