2021年6月11日

土木学会技術賞 3案件受賞 国際活動奨励賞・国際活動協力賞・技術功労賞 受賞

2021年6月11日、ホテルメトロポリタンエドモント(東京都千代田区)にて公益社団法人土木学会令和2年度土木学会賞の表彰式が開催され、弊社が携わった「デリーメトロ都市鉄道建設プロジェクト(フェーズ1・2・3)」、「アンゴラ国 ナミベ港改修計画」、「カチプール・メグナ・グムティ新橋建設及び旧橋改修工事」の3案件が、技術賞(Ⅱ)を、また、国際活動奨励賞を港湾部プロジェクト部長 清末文明(きよすえ ふみあき)が、国際活動協力賞を軌道交通技術第一部部長 Yingyongrattanakul, Narentorn(ユインヨンラッタナクル ナレントーン)が、技術功労賞を港湾部参事 折下定夫(おりしも さだお)が受賞しました。
【関連リンク】 土木学会HP

デリーメトロ都市鉄道建設プロジェクト表彰状

右 代表取締役社長 米澤栄二
左 インド現地法人会長 阿部玲子

技術功労賞賞状

技術功労賞を受賞した折下定夫
前列左から3番目

技術賞の賞状授与(代表企業が受領)

技術賞受賞企業の記念撮影
前列右から3番目:軌道交通事業部 阿部玲子
後列右から2番目:港湾部 鈴木雅人

■インド国 デリーメトロ都市鉄道建設プロジェクト(フェーズ1/2/3)

本事業は、国際協力機構(JICA)の円借款により、インドの首都デリーおよびその近郊に、総延長約350kmの都市鉄道網(地下及び高架)を整備するもので、1998 年8 月の事業開始から2020 年12 月の完成まで20 年に渡るプロジェクトです。デリーメトロ公社(DMRC)は計画から、設計、施工、運行管理まで一貫して日系コンサル企業体とともにJICA の協力も得つつプロジェクトマネジメントを実施し、建設と運行管理に参加した多くの本邦企業との長年の協業によって工事現場で働く人々の間に安全性や効率性(工期)の意識を浸透させ、開業後の安全・定時運行にも努め、住民に安全・安心・快適な交通手段を提供しました。「質の高いインフラ整備事業」として完成の日の目を見たデリーメトロは、日本の「ベスト・アンバサダー」と評価され、3,000 万人規模ともいわれるデリーや近郊の市民の足として親しまれています。これらが評価され、この度の受賞となりました。
尚、本賞は下記の機関・企業が共同で受賞しております。
(施主)デリーメトロ公社(Delhi Metro Rail Corporation Ltd. (DMRC))
(援助機関)国際協力機構(JICA)
(関係機関)在インド日本大使館、(独)国際協力機構インド事務所
(関係企業)オリエンタルコンサルタンツグローバル、海外鉄道技術協力協会、トーニチコンサルタント、RITES、東京地下鉄、熊谷組、清水建設、三菱電機、日本製鉄、日本信号、三菱商事、伊藤忠商事、三井物産

350kmの都市鉄道網

市民の日常の足となったデリーメトロ

 

■アンゴラ国 ナミベ港改修計画

本事業は、アフリカ南西部に位置するアンゴラ国南部のナミベ港にて、老朽化した港湾施設を改修することを目的に実施されました。同国は、長期内戦の影響もあり建設当時の設計書や図面等は残っておらず、補修設計前には対象施設の詳細な調査が必要でした。また供用中の港での施工にあたり、施主・港湾運営事業者を含めた調整会議を毎週開催し、関係者全員と密に情報共有しながら工事を進めることで極めて円滑に改修工事が実施されました。結果として、無事故・無災害で工期も1ヶ月前倒しで竣工し、施主からは我が国による工事施工と工事監理の両面に対して高い評価を受けました。さらに、工事現場関係者の約7割に相当する70名の労働者は現地ナミベから雇用され、現地の雇用状況の改善にも寄与し、地域経済の発展にも繋がると期待されると共に、持続可能な開発目標(SDGs)にも貢献したことが評価され、この度の受賞となりました。
(監督省庁)運輸省海事港湾局(IMPA)、
(実施機関)ナミベ港湾公社(EPN)
(関係機関)在アンゴラ日本国大使館、(独)国際協力機構資金協力業務部、(独)国際協力機構アンゴラ事務所
(関係企業)㈱オリエンタルコンサルタンツグローバル、㈱パデコ、東亜建設工業㈱

ナミベ港3B区画完了全景

改修された岸壁へ接岸する第1船目の貨物船

 

■バングラデシュ国 カチプール・メグナ・グムティ新橋建設及び旧橋改修工事

本事業は、バングラデシュ人民共和国の首都ダッカと、重要港湾がある第二の都市チッタゴンを結ぶ国道一号線の既存橋を改修・補強して供用するとともに、既存橋に並行して新橋を建設することで、渋滞を解消し、さらに将来の増加交通量にも対応することを目的とした建設事業です。
バングラデシュの河川では、増水期の洗堀問題が深刻であり、既に既存橋もその影響を受けていました。また、交通量の増大により渋滞が深刻化していたため、現交通を止めることなく近接工事にて新橋を短期間で建設する必要がありました。現場作業をできる限り省略することにより、工期短縮が実現し、優れた日本の建設技術の導入・移転により、橋梁の耐久性が向上し、将来必要な維持管理費の低減にも貢献しました。
多くの日本の建設技術の導入・移転は、バングラデシュにおける土木技術と社会の発展に大きく寄与したと評価され、この度の受賞となりました。
(事業主体)バングラデシュ人民共和国 道路交通・橋梁省 道路局国道部
(関係企業)㈱オリエンタルコンサルタンツグローバル、㈱日本構造橋梁研究所、㈱片平エンジニアリングインターナショナル、大日本コンサルタント㈱、SMEC International、㈱大林組、清水建設㈱、 JFEエンジニアリング㈱、㈱IHIインフラシステム

完成したメグナ第2橋梁と既設橋

メグナ第2橋梁開通式の様子

【国際活動奨励賞  港湾部 プロジェクト部長 清末 文明 (きよすえ ふみあき)】

清末は約26年間にわたり港湾分野の専門家として、国内外の多種多様な港湾・漁港開発プロジェクトにおいて調査・設計から施工まで責任を持って従事してきました。特に、東南アジア、アフリカ諸国の港湾案件においては日本の土木技術者として我が国の質の高いインフラ輸出に積極的に取り組み、各国の生活水準の向上や経済発展に大いに貢献してまいりました。現在は、マダガスカル国トアマシナ港拡張事業1期工事のチームリーダーとして、施主、建設業者、現地技術者等と密に連携し新型コロナウィルス感染防止対策を講じながら事業を進めています。これが評価され、この度の受賞となりました。

アンゴラ国ナミベ港改修竣工式にて
感謝状を受け取る清末(右)

【国際活動協力賞  軌道交通技術第一部 部長
Yingyongrattanakul, Narentorn(ユインヨンラッタナクル ナレントーン)】

ナレントーンは18年以上にわたり、日本および他の国々で、鉄道技術者として多くのインフラ開発事業に幅広く貢献してきました。日本では多くのトンネルプロジェクトに携わり、掘削した砕石の90%を盛土に再利用する新工法の開発に関わったほか、ヤンゴン・マンダレー鉄道改良フェーズ1および2のプロジェクトマネージャーとして尽力しております。また、2016年から京都大学の非常勤講師として、国内外の後進の指導にもあたっています。これらが評価され、この度の受賞となりました。

ミャンマー国鉄からの感謝状授与式
左から2番目がナレントーン

【技術功労賞 港湾部 参事 折下 定夫 (おりしも さだお)】

折下は約50年に亘り海外の港湾開発事業に従事してきました。特にジャカルタ漁港護岸整備プロジェクトでは、出来るだけ外貨を使わないで現地の材料と労働力を活用して欲しいという政府の強い要望を重視して、約4,000mの防波堤・護岸の基礎に約100万本の竹を竹杭・竹マット工法として採用し軟弱地盤対策するなどの特殊工法を採用しました。また、ジャカルタ日本人小学生の漁港見学会を15年から毎年開催しており、のべ2,000人以上の生徒にODAの仕組み、インドネシアの漁業、竹材の工法、マングローブ、海水浄化システムを説明するなど、ODA事業の理解促進にも尽力しています。これらが評価され、この度の受賞となりました。

ジャカルタ日本人小学校(JJS)の見学会
前列中央:折下

折下が執筆した著書
「ジャカルタ物語 ともに歩んだ40年