Employee Stories

岡本 純子

次長

都市地域開発部

子育てとの両立のなかで、ステージアップしていくための自分探し。“ガバナンス”という新分野の開拓と事業拡大へ。”

40歳で息子を出産しました。出産前は1年のほとんどを海外で過ごす日々でしたが、出産後は1年半会社を休んで育児に専念しました。職場復帰してからも、しばらくは短時間勤務で育児を優先しました。育児休職中もごく短期の出張はしていたので仕事から完全に離れるということはありませんでしたが、実際の感覚としては2年以上のブランクであったと感じています。

復職後、一専門家からプロジェクトを総括する立場(プロジェクトマネジャー)へとステージアップしていくための自分探しが始まりました。これまで住民参加や組織・人材育成に関わる仕事をしていましたが、もっとプロジェクト全体に関わるようなテーマを見つける必要がありました。仕事の感覚を取り戻すにも時間がかかりましたし、まだ小さい子どもの育児に時間も体力も取られる生活の中で悩みました。そんな中、見つけた答えがガバナンスでした。
育児休職前から継続して関わっていたのは、バングラデシュの首都ダッカ市役所での廃棄物管理の仕事でした。2003年から10年間携わりました。市役所に廃棄物管理局という新たな組織を構築し、住民のごみの排出から、収集・運搬、衛生的な処分まで、市役所が総合的な廃棄物管理を行うための組織づくりを行いました。プロジェクトが進むにつれ市役所職員が誇りを持ってごみの仕事をするようになり、思いがけない力を発揮するようになるのを目の当たりにしました。

職場復帰後、自分の過去の経験を振り返った時に、このダッカの経験を基にガバナンスを自分の柱にしていこうというところに考えが行きつきました。ところが当社ではガバナンスに関する業務実績がないため、なかなか受注に至らず苦労しました。今、実施しているコートジボワールの地方行政強化の仕事は、運良く事前調査の仕事に関与でき、その結果、地方行政に関わる業務を引き続き受注。小学校と地方給水(井戸)の2つの分野を対象に、地方自治体が関係機関や住民と連携して、質の高い公共サービスを提供できるようになることを目指しています。まだ立ち上がったばかりですが、ガバナンスという新たな分野で実績を作り、展開していきたいですね。

今後、仕事と育児をどう両立させていけるかはわかりません。子どもの年齢が大きくなるに従って、夫や両親の状況によって、自分のその時々の職業上の目標によって、自分を取り巻く環境や条件が変化していくからです。出産前に比べるとどうしても仕事量は減ってしまいます。ですが、子どもを授かったということに心から感謝しています。これからもずっと模索しながら、周りの力を借りながら、前に進んでいきたいと思っています。