ウガンダ国カンパラ首都圏

都市開発マスタープランプロジェクト

プロジェクト背景

ウガンダ国の大カンパラ首都圏(Greater Kampala Metropolitan Area、以下GKMA)は、2014年の人口センサス時点で中心部カンパラ市に150万人の人口を抱え、また周縁部も含めると約300万人以上の人口を抱える大都市圏である。同国のGDPの1/3は大カンパラ首都圏で生産されており、産業分野では国内の生産プラントの約7割が集中している。このような国内経済の中心地にあって、人口は順調な増加を見せており、今後2020年代半ばには人口が500万人を超えるとの見通しがある。

カンパラ市の地形上の特徴として、急峻な丘に囲まれた盆地であり、開発適地が限られると共に、市内道路の拡幅の余地も限られている等、都市開発を進めていく上では効率的かつ整合性の取れた開発を行っていくことが重要となっている。

このような大カンパラ首都圏の状況に対し、カンパラ首都庁が中心となり2012年に世界銀行の支援を受けて都市開発を中長期的に誘導するマスタープランであるKampala Physical Development Framework(以下、KPDF)及びKampala Physical Development Plan (以下、KPDP)を策定し、2013年に政府承認された。しかしながら、策定プロセスにおいての関係省庁との協議が十分になされず、周辺自治体、関係機関への周知が十分でなく、KPDF、KPDPを踏まえていない個別のセクター計画が策定され、アドホックな開発が進められている状況にある。また、人口流入、人口増加により、斜面部や郊外部への都市域の拡大や、中心部における無秩序な開発が進んでいるため、交通、環境、防災、景観上の問題が発生しており、持続可能な都市を実現するための計画策定が求められている。

さらに、KPDF、KPDPは2002年のセンサスに基づき策定されており、カンパラ市における人口増加率が過大に予測されているとの指摘がなされており、適切なレビューを行った上で、社会経済フレーム及び都市構造の見直しの必要がある。また、計画が大カンパラ首都圏の開発を導く文書となるためには関係機関間での計画の共有、連携・協力の体制、計画を実施していくためのプラットフォームやメカニズムが必要となっている。加えて、計画を実施するための都市開発管理の制度が不十分であることも課題として挙げられ、地区レベルでの具体的な土地利用規制や地区別詳細計画の策定を通じた開発管理を定着させていく必要がある。

上記の背景を踏まえ、本業務では大カンパラ首都圏の都市開発マスタープラン(KPDF、KPDP)の更新並びに地区別詳細計画整備のための開発調査型技術協力を行う。

①多くのミニバスが都心を起点としていることによるターミナル周辺の混雑

多くのミニバスが都心を起点としていることによるターミナル周辺の混雑

②道路や排水路が整備されていないカンパラ市の住宅地

道路や排水路が整備されていないカンパラ市の住宅地

業務概要

本プロジェクトは、大カンパラ首都圏において、都市開発マスタープランの更新、地区別詳細計画の策定ガイドライン並びに地区別詳細計画を策定し、更に都市開発に関連するステークホルダー間の連携・調整のための体制を整備することにより、適切な都市開発管理の実現を図り、同地域の持続可能な成長を促すことに寄与するもの。
本業務により期待される成果を以下にあげる。

・2040年を目標年次としたKPDFの更新
・2030年を目標年次としたKPDPの更新
・地区詳細計画のガイドライン作成
・モデル地区における地区詳細計画の策定とそれにかかる能力強化
・KPDF、KPDPを実施するための連携・調整メカニズムの設置

本調査の調査対象地域は、カンパラ市、ワキソ県、ムコノ県、ムピジ県である。
計画策定範囲は、現況調査をもとに決定する。

案件⑦画像

図 調査対象地域

インターンシップ研修内容

上記の業務における以下のタスクに携わってもらうことにより開発コンサルタントの業務内容の理解を深める。

1) 土地利用計画策定の補助

2) 地区詳細計画ガイドライン作成の補助

3)リモートでのプロジェクトの運営管理補助

4) その他、プロジェクトの進捗状況と学生の興味に応じて検討

③カンパラ首都圏が面しているアフリカ最大の湖、ビクトリア湖

カンパラ首都圏が面しているアフリカ最大の湖、ビクトリア湖

実施期間

8月~9月の2週間程度

対象者

都市計画・土木・建築系の修士課程1年の学生を優先